保育士が実際に経験したモンスターペアレントからのクレームとその対策

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保育士をしていると様々な悩みに毎日直面すると思います。自分一人で解決できることであればいいですが、自分ではどうしようもないこともあります。

多くの保育士が経験したことのある悩みの一つに「モンスターペアレント」からのクレームがあると思います。

「そんなこと私に言われてもどうしようもできないし!」

なんて思った経験がある方も多いのではないでしょうか?同僚や上司に相談できればいいですが、誰にも相談できず一人で抱え込んでしまいストレスから体調を崩してしまった方もいるようです。

今回は働いていて実際にあった保護者からのクレームや無茶な要望の事例と対策について紹介させていただきます。

目次

保育園に実際にあったモンスターペアレントからの要望とその対策

子どもが風邪を引いているのに預ける保護者

保育園の看護師として働いていたときに子供が発熱・酷い咳をしているのに預けてくる保護者が多くいました。

指摘すると、家を出るときは熱がなかった・家では咳をしていなかったと言い訳ばかり。
預かることはできないと言うと、逆ギレで話になりませんでした。

また、乱暴な子供がいて、自分から他の子供にちょっかいを出して、自ら転倒した挙句骨折しました。

ちょっかいを出された方の子供は全く非がないにもかかわらず、その子供の親の電話番号を教えてくれと大騒ぎ。

何度も保護者の電話番号は教えられないと説明しても理解できす。保育園にも非がないのに、何度も保育園でちゃんと見ていないからだ、と保育園に治療費を出すように言ってきていました。

園長先生や他の先生に対応を変わってもらうのが良い方法

私だとどうにもならなかったので園長先生や他の先生からも保護者に言ってもらうようにしました。

お迎えのときに酷い咳だったんですけど自宅ではどうだったのですか?朝はどうだったんですか?家では熱も咳もないのに保育園に来ると熱や咳が出始めるんですか?

少し妙ですね。お医者さんに行ってみたらどうでしょうか?とチクリチクリと話すようにしました。家庭との交換ノートにも担任に書いてもらうようにしました。

保育園だよりにも書きました。あまりにも口酸っぱく言われるので、やっと発熱時・咳が酷いときは預けないようになりました。

骨折をした子どもの保護者には理路整然と説明をしました。保育園にもちょっかい出された子供にも非がなく電話番号は教えられないと。

治療費も保険に入っているでしょうから、その範囲内でできるでしょう、と。園長先生からきつく言ってもらったので、それ以来言ってこなくなりました。

行事の子どもの役についての要望を言ってくる保護者

行事の時の子どもの役についての要望でした。年長組で最後だからという事で、役員も引き受けていたそのお母さんは、役員もやってるんだからと、自分の子どもに目立つ役をやらせてとしつこく言ってきました。

朝も、帰りも、手紙まで使って何度も言ってくるので、仕方なく今回はと目立つ役にしました。すると、そこから全ての出し物に対して同様の要求をしてくるようになりました。

ですが、他の子どもとの兼ね合いもありますし、その子が何でもこなす子でもなく、もちろん全て出来るわけもなく、要求と違うものにすると、当日の帰りから、なんで?と何回も言い寄られたり、手紙や、電話が来たりと大変でした。結局、卒園するまでずっと要求は続いていきました。

保育園全体としての意見をまとめておくことが大切

いくらモンスターペアレントだからといっても、子ども達はみんな平等に役は振り分けたかったので、ひたすらに耐える方向でいきました。

どんなに、文句を言われても手紙や電話がきても、どのお子さんにも同じように割り振りをしていきますと言い続けました。

もちろん、ものすごく怒ってしまい園長先生の所にまで文句を言いに行っていましたが、園長先生も、同じ返答をしていたので、ある意味守られていたと思います。

卒園前の面談も園長先生も一緒にしてくれたので助かりました。無理難題をぶつけてくる保護者に対しては一貫して園全体の総意として無理なものは無理、という姿勢を見せていくしかないのだと今回の件で、痛感しました。

役員仕事を嫌がる保護者

クラスで必ず1人一役、保育園の役員仕事があり、下に妹弟がいる人は小さい子をつれて保育園にくるのが大変なので免除していました。

他の人はしたい仕事に挙手し、他の人と重なったらジャンケンをして決めていました。その人は数回ジャンケンに負け、結局最後に残った運動会の準備の役になってしまいました。

その時、残ったものになってしまったことの謝罪とご都合大丈夫ですか?と声をかけて、お母さんも「自分が負けてしまったからしょうがない。ジャンケンだから誰も悪くないから」と言っていました。

しかし、次の日の朝その保護者のお父さんから電話があり、かなり興奮状態で「妻がかわいそう。だいたい妹弟がいる人は免除なんてずるい。やりたくない役になったと落ち込んでいる。どうしてくれるんだ」とすごい剣幕で罵倒され、私の人格否定までされました。

保護者に丁寧に説明をすることが重要

まずはどうしてそうなったかの経緯を説明し、毎年やっている役員決めルールをお話しました。

そして、話し合いで役員を決めてもいいが時間が限られてるため、平等なジャンケンで決めていること、そしてその保護者はお姉ちゃんがいて、今までは他の方の優しさであなたも免除されてきていたことを伝えました。

最後まで怒りが収まらなかったようですが、次の日のお母さんにあったときに再度なりたい役になれなかったことを謝罪しました。

そして運動会の準備にお父さんが来た時、再度声をかけて、忙しい中きてくれたことのお礼と再度謝罪しました。

すると、他のお父さんたちはなにも文句言わずに準備を積極的に手伝っている姿をみて少しは自分勝手な言い分に気づいたのか、直接顔を見たら言いにくかったのか「いえいえ、こちらこそいつもありがとうございます」と小さくなって帰っていきました。

特別扱いして欲しい保護者

年中さんと年長さんのみが英会話がある保育園で働いていた時に、1歳児のクラスの親から英語は小さい頃からやっていた方が身につくから、1歳からやらせて欲しいと言われました。

しかし、年中になったら始められますと答えました。すると、自分の子は同じ1歳の子よりも落ち着いているから、英会話の時間だけ年中さんのクラスに行かせて英会話を受けさせて欲しいと言われました。

自分の子だけ英会話を受けさせるのでレッスン料は少し払うので、文句はないし、もし同じように小さい子でも英会話を受けたいと要望があったら、小さい子でも英会話をするような体制にすればいい。

こうやって考えているのは自分だけではないと思うし、周りの人が言わないだけで自分が代表で来ているだけと言ってきました。

園長先生も交えて話し合いをすることが大切

英会話を受けさせたい気持ちは受け止めてつつ、年中さんのクラスに一人だけ参加させるわけにはいかない理由について説明しました。

その子だけ特別扱いできないこと、他のクラスに一人だけ参加させると職員がその子についていかないといけなくなり、職員が不足してしまうこと、いくら落ち着いていても周りの子がその子が気になってしまって年中さんが集中してレッスンが受けられないことなどを園長先生も交えて、納得してもらうまで話し合いました。

英会話で来ている先生に1歳児でも英語に親しめる遊びを教えてもらい、1歳児のクラスでも取り入れることにしたことを伝え納得してもらいました。

あと、保護者会があったときに、園の方針は別でお金を払うと言われても変えないことを伝えてもらいました。

虫刺されがないように言ってくる保護者

保育所の1歳児を担任していた時のことです。夏は熱中症対策をしながら水遊びをしたり、砂場や遊具で遊んだりすることを大切にしていました。

子どもたちも外での遊びを楽しみにしており喜んでいました。この保育所は自然豊かな場所にあり、草花を摘んで色水を作ったり、木陰でお茶を飲んだりするような生活の中で、蚊にさされることもありました。

外に蚊取り線香を置くなど対策をしていましたが100%防げるものではありません。保育士は、子どもが蚊に刺された時には薬を塗って対応をし、保護者に伝えることで連携をとっていました。

室内では網戸の部屋やエアコンの活用で虫刺されはほとんどありませんでした。たいていの保護者は蚊に刺されることを気にしていないようでしたが、一人の保護者が虫刺されがないようにしてくださいと苦情を言ってきました。

保育所での対策と、それでも防ぎようがないことなどを伝えたのですが、毎日のように今日も蚊に刺されていたと訴えてきました。家でも蚊に刺されることがあるだろうに…と納得がいきませんでした。

話し合いを行い妥協点を探るのが重要

とにかく、保護者の要望に応えるしかないので、蚊に刺されないための対策としてその子供を外に出さないことにしました。

他の子供たちはいつも通り外遊びを楽しんでいる時にその子供だけは室内遊びをさせていました。

もちろん、子どもを一人で室内にというわけにはいかないので保育士が一人その子のために居残りをしていました。

子どもはみんなと外に行きたいと不機嫌になるし対応に困っていました。一人だけ別行動というのは子供の育ちにとっても望ましくないです。

そこで職員間で話し合い、保護者が冷静に話を聞いてくれるよう園長の方から今の保育の状況を伝えました。

そして、園長の提案により外に行くときはその子供は長そで長ズボンに着替えるということで解決しました。

保育士にとっては着替えという一つ手間がかかるし、よりいっそうの熱中症対策が必要になり大変でしたが、保護者の苦情が収まったのは良かったと思いました。

子どもがケガをしたと言い法的措置に出ると言ってきた保護者

子供が転んで帰ってきたから痛そうですとクレームがありました。保育士は何をしていたんだという問い合わせの電話があったのでとてもびっくりしました。

子供が転ばないように見ていたとしても怪我をすることはあります。目が行き届いていなかったから私たち保育士にも責任はあるかもしれないです。

ただ、「担当の先生は誰なんだ?」「訴える」など法的措置を考えているといった言葉で私たちを罵倒した挙句子供がこの先もこんな状態であればこの保育園を消すこともできるんだぞとすごいことを言い始めました。

本当にヤバいモンスターペアレントだと感じました。少々の怪我でここまで発展するのだとびっくりするし意味のわからないことで罵倒され過ぎて本当にやばい保護者だと感じてしまいました。

保護者にしっかりと謝罪することが大切

法的措置を取ると言われたのでわかりましたと言いました。とりあえず頭に血が昇っての言動と罵倒だと感じたので周りの先生にこう言った話で電話がかかってきていると園長に伝えてもらいました。

その後、保育園のみんなで話した結果、電話を一旦切った後もう一度かけなおしました。相手は少し時間を置いたからなのか落ち着いている様子でした。

こちらからは気をつけて保育させてもらいますと電話で伝えました。私たちの不徳の致すところですと謝罪をし、何日か後に自宅まで行って謝罪しました。

園長先生と担任が2人で子供の家に行って謝りました。申し訳なかった私も言い過ぎたと保護者からも謝罪され法的措置を取りやめてくださりました。大変な事例でした。

お遊戯会の配役に対してクレームを言う保護者

お遊戯会の題目、配役についてのクレームがいちばんひどかったです。どうしても自分の子供が主役をやりたい、やらせたいと主張してきます。

声も大きいし背も高い、適任はうちの子しか居ないのにどうして違う子なのか。個人的に何かもらっているんじゃないかと、うわさをたて園長に話されました。

園長には分かって貰えていたみたいですが今度は園に通う園児のパパさんとの関係をうわさされました。話し合いをしても自分の事ばかり主張して全く話し合いになりませんでした。

そのお母さんのお仲間の人にそれとなく聞いてみたところ、上のお子さんの時にも同じようなことをされて担当の先生が体調を崩してしばらく休職されていたそうです。その時も自分のお子さんが主演をされてご満悦だったそうでした。

クラスの保護者と園児のみんなにアンケートを取ることも時にはアリ

話し合いでは全くダメなので、クラスの保護者さんと園児のみんなにアンケートすることにしました。

保護者の方には自分のお子さんにどんな役をしてほしいか、実際にお遊戯会を見たときにどういう思いで見たいかイメージをしていただきました。

そして園児のみんなにはどんな自分を見て欲しいか、どんな気持ちでお遊戯したいか考えてもらいました。

アンケート結果と本音は違うかもしれませんが、保護者の方も園児のみんなも楽しく元気にと同じことが書かれていましたので、保護者の方と園児のみんなで話し合いしました。

そのお母さんは当日お父様もご一緒で、お父様が普段子供が違う役をやりたいと話しているのですが、今からでも変更していただけるのか聞きにきましたということで本人に確認してその場で一致解決となりました。

お父様のお話ですと、義理の両親に良い母親と思ってもらいたくての行動だったようです。

【まとめ】モンスターペアレントへの有効な対応はコレ

保育士をしていると様々な保護者の方から多くの要望やクレームを頂くと思います。ただ、それは我が子が可愛いがために言っているということをまずは理解しましょう。

保育士にとっては大勢いる子どもの一人ですが、保護者にとっては唯一無二の我が子なのです。自分の子は誰でも可愛いものですからね。

ですので、保護者が何か要望を言ってきたらまずはしっかりと聞いてあげましょう。そこから対応を考えてみて下さい。モンスターペアレントの対応方法として有効なのは以下の方法です。

  • 丁寧に説明をする
  • しっかりと謝罪をする
  • 一人で抱え込まない
  • 一人で対応せずに園長先生や年配の先生と一緒に対応する

まずは保護者に何か要望を言われた場合は話をしっかりと聞いてあげ、できないのであればその理由を丁寧に説明してあげて下さい。そうすることで理解を示してくれる方もいらっしゃると思います。

ただ、それでも解決しない場合は一人で抱え込まずに園長先生や年配の先生に相談して一緒に対応するようにしましょう。

こちら側が大人数である方が相手は強く出られないですし、何かトラブルが起きた時の証人になってもらうこともできます。

また、若い先生の言うことよりも年配の先生の言うことの方が素直に受け入れてもらえるということもあります。

モンスターペアレントからの無茶な要望やクレームで悩んでいるという方は周囲に相談をして下さい。自分が精神的に参ってしまうことのないよう気をつけて下さいね。

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