認定こども園というのは平成18年10月に「就学前のこどもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律」という法律が施行されてできました。
認定こども園を作った目的は保護者の多様化するニーズに応えるためというものです。それにより多くの幼稚園や保育園が認定こども園と名前を変えました。
認定こども園に変わることで保護者側には様々なメリットがありますので、喜んだ方は多いかもしれません。
しかし、働く側の負担が増えたという意見が多数見受けられます。特に幼稚園から変わったところは仕事の拘束時間が増えたと感じているようです。
今回は実際に大阪の認定こども園で育児をしながらフルタイムで勤務している女性に職場の実態を紹介してもらいました。
今後認定こども園で勤務したいと考えている方の参考になれば幸いです。
認定こども園での仕事は拘束時間が長い割に給料は安い

私は大阪府在住の31歳既婚女性です。現在6歳、4歳、0歳10ヶ月の娘を子育て中です。
現在勤めている職場は新卒から在職しているので勤務歴は11年目になりますが3度の出産の為それぞれ1年ほどは産休、育休を頂いているのでトータルすると6年ほどしか経験はないと思います。
私は現在時短勤務は行わずフルタイムで復帰しています。現在三女の育休中ですが来月には復帰予定です。
私の勤めている園は拘束時間が長く、サービス残業が多いところに不満を感じています。
もともと公立保育園だった所が認定子ども園になったので、私立らしからぬ公立のやり方を継承する部分が多く職員の負担が大きいと感じます。
他の園では簡素化しているクラス懇談や家庭訪問も現在でも行っており、懇談がある日は勤務終了後の17:45分からスタートするので帰宅は21時を回る事もあります。
独身の時はそこまで苦に感じませんでしたが子どもを産んでからは結構厳しいと感じます。
またこだわりの強い職員が多く行事の度に去年の物を使い回しするのではなく、ほぼ一から手作りする事が多いのも苦痛です。
その為行事の時期になると毎日サービス残業は当たり前になります。園に残って仕事をする事を美徳としている職員も多いです。
また子どもの人数も多い園なのですが、正職員の人数が少ないので書類書きなどの負担が多く休みの日も自宅でしないと追いつかない事も多々あります。
子どもも毎朝朝早くから夜遅くまで預ける事が多いので可哀想に感じる時もあります。
保護者対応や引き継ぎも正職員じゃないといけないという決まりがあるので保護者対応が長引いた時はサービス残業として帰るのが遅くなる事もしばしばあり不満を感じます。
パートだと融通が効き働きやすい職場だとは感じますが正職員に対する負担は大きいです。
その割にお給料は少なく手取り20万円いかないのでここまで頑張ってるのに給料の上がらなさに不満を感じてしまいます。
認定こども園で勤めて育児との両立の難しさを感じた

1人目の育休明けで復帰したばかりの頃、子どもが熱を出したので預けている保育園から迎えに来てくださいとの連絡が私の職場に入り、早退させてもらうことになりました。
同僚は早く行ってあげてと優しかったのですが、上司がとても冷たい人で私が早退することをあまり良く思っていませんでした。
娘を迎えにいくと熱は40度もあり、明らかにいつもとは違う状態に急いで病院に連れて行きました。
病院に向かう途中、上司から電話があり内容は明日の仕事どうするの?との事でした。
休むなら休むで調整しないといけないし、みんなに迷惑をかけるから電話してもらわないと困るとの注意をうけました。
結局娘はその日の夜に緊急入院ということになりました。今すぐ入院しないと危険な状態にもっと早く病院に連れて行けばよかったと後悔しました。
そんなこともあり、上司の心無い一言には相当ショックを受けました。仰っている事は最もだと感じます。
しかし、私の考えとしては娘を病院に連れて行ってからきちんと連絡をするつもりだったのと、大丈夫?の一言もなくそれだけを伝えられた事が悔しくて悲しくてたまりませんでした。
他の職業ならここまで思わなかったのかもしれませんが、本来子どもを大切にしないといけない仕事であるのに対し全く子どもを気遣うそぶりもない対応に涙が出ました。
子どもを守る仕事に誇りを持っていますが我が子が苦しんでいる時に側に居てあげられない苦しさがあるのも事実だと痛感した出来事でした。
仕事量が多いので書類が少ない園に転職したい

我が子に寂しい思いをさせているなと感じた時は仕事を辞めた方がいいのかなと悩む時はあります。
私の仕事が多忙になると1番上の子は精神的に不安定になるので私も働きすぎにならないように気をつけなければと反省するのですが中々割り切りが難しい仕事なだけに悩んでいます。
特に私は仕事のオンオフが難しいタイプなので仕事が立て込んでくるとイライラして子どもにあたってしまう時があり自己嫌悪に陥ります。
また職場も休みやすい環境ではないため子どもが体調不良でも熱がなければ預けないといけないのも可哀想です。無理をさせて体調が悪化し入院しないといけなくなった時は本気で悩みました。
また仕事が忙しくなると休みの日も自宅で仕事をする事もあるので子どもを遊びに連れて行ってあげられないのも可哀想だと感じます。
主人も家族との時間を大切にしたいタイプなので仕事が立て込み家事や育児が疎かになると夫婦喧嘩になる事もあります。
働きやすい職場や持ち帰り仕事のない職場に転職する事も考えましたが、その度に妊娠してしまったので辞めるタイミングを逃しズルズルきてしまいましたが、今回復帰し限界を感じたら退職する事も考えています。
どこの職場もそうだとは思いますが、うちの園は圧倒的に正職員の負担が大きすぎるので仕事量が莫大だと感じます。
日中の仕事ももちろん大変ですがそれ以上に書類書きが苦痛でたまらないので書類書きの少ないところに転職したいとは思います。
保育士にはコミュニケーション能力も必要

保育士は子どもの成長を間近で見届け感動ややりがいを得られる素晴らしい仕事だと感じます。子どもが1年間で成長する姿は目まぐるしく驚きや感動の連続です。
子どもと過ごす時間は保護者よりも長く時には我が子のような気持ちで愛情を持って関われるのが特権だと感じます。また子どもからも親のように慕ってもらえると可愛さや愛しさも倍増します。
ただ一つ覚悟しないといけないのは子どもの可愛さだけでは務まらない仕事ではあります。子どもの動きは予測不能なので予想していなかった事態が起こった時に臨機応変に対応できる柔軟さは必要です。
また保護者との関わりは避けては通れない所なので人とコミュニケーションを取ることが苦手な方は不向きだと思います。
書類書きはどこの職場でも多かれ少なかれ必ずあります。その為ある程度の文章力は必要になってきます。
文字や文章を書く事が苦手な人も毎日文字を書いている間に慣れてくるようになるので最初の一年は辛いかもしれませんが2年目から楽しめるようになると思いますよ。
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