ICT保育園に転職したら残業がなくなった!メリットデメリットを紹介

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保育士は仕事量も多く大変な仕事だと言われています。その上、給料も低いので就職しても別の仕事に転職する方も多いのが現状です。

保育園は保育士の子どもが好きという気持ちだけで成り立っていると言っても過言ではないかもしれません。

ただ、保育士が不足している中、このままではいけないと国も保育士の業務負担軽減のための支援というのを行っています。

業務負担軽減のための支援の一つとして「業務のICT化」というのが進められています。ICTはInformation and Communication Technologyの略で、情報通信技術という意味があります。

わかりやすく言えば、パソコンやタブレットを活用し、保育士の業務量の軽減を図るというものです。

まだまだ導入している保育園は少ないようですが、徐々にICT保育園は増えてきています。今回は実際にICT保育園で勤務されている保育士に現状について教えていただきました。

どの保育園で勤務しようと考えている方の参考になればと思います。

目次

保育士は仕事量が多いし給料も安い

私は保育士5年目、27歳。幼児教育系短期大学で保育士資格を取得し、その後社会福祉系大学編入して卒業。卒業後に保育士の職につきました。

担当したことのある学年は0歳、2歳、3歳、4歳、5歳の各1年ずつです。新卒から4年間働いた保育所から自己成長の目的で転職し、昨年度から新しい保育所で働いています。

その保育園に転職した理由はICT導入しているからです。メリット・デメリットは様々ありますが、一番のメリットを感じているところはICT導入による書類仕事の効率化です。

ICT未導入の保育園の仕事内容

新卒から4年間働いた保育所は、「手書き書類が多い」保育所でした。特に、2歳児クラス(3人担任制)を持っていたときは正規職員が自分しかおらず、書類仕事は全て一人でまかなっていました。

終わりの見えない書類の山が毎月のようにありました。私は17人クラスを担任していたときの仕事は以下の通りです

  • 毎日書くもの:日誌、連絡ノート(連絡ノートだけはパートさんも書いてくれたので2〜3分の1程度)、視診表
  • 毎週書くもの:週案、週案反省
  • 毎月書くもの:月案、クラス人数分の個別指導案、当月の月案の反省、当月のクラス人数分の個別指導案の反省、その月の保育全体の反省
  • 3ヶ月に1度書くもの:クラス人数分の児童表、期間反省

こうして一覧にしてみると少なく見えるのかもしれませんが、ここに毎日の保育準備や行事担当などがかぶってくるとかなり膨大な量でした。

書類を書く時間を確保するのはなかなか難しく、持ち帰って行えるものは家で、持ち帰れないものは退勤後に残業して行っていました。

この労働にたいする対価は「みなし残業手当」として毎月一定の賃金が加算されていましたが、とてもその賃金でまかなえるものとは思えませんでした。

ICT導入保育園の1日のスケジュールと仕事内容

現在働いている保育所は「ICTを導入している」保育所です。前職同様に乳児クラスを担任しでいます。まずは一日のスケジュールを紹介します。

ICT保育園のタイムスケジュール

[ptimeline color=”pink”]
[ti label=”7:15〜” title=”子どもたちの登園準備”]

  • 順次登園
  • 出席は保護者が登園時iPad入力(登園時間記録→保育士側のiPadに反映)
  • 特記事項をiPadに片手間で入力しながら子どもを受け入れる

[/ti]
[ti label=”9:30〜” title=”遊びの時間”]

  • 主活動
  • 子どもたちの様子を観察

[/ti]
[ti label=”11:30〜” title=”昼食”]

  • 給食
  • 食事介助を別の職員にバトンタッチしパソコンかiPadで日誌を入力
  • 個別の記録を一言程度iPad入力→月末に印刷することで児童表完成

[/ti]
[ti label=”12:00〜” title=”降園時間”]

  • 午睡
  • 午睡センサーを子どもにつけ安全管理(うつぶせ寝や心音の停止などでアラームがなる)
  • 5分おきにセンサーが子どもの身体の向きを記録
  • 目視で呼吸確認をiPadに記録
  • ダブルチェックでSIDSの予防をする(睡眠時間や室温管理も同時にできる)
  • 日誌の入力などが終わっているのでゆっくりと連絡ノートを記入

[/ti]
[ti label=”15:00〜” title=”おやつ”]

おやつの時間

[/ti]

[ti label=”16:00〜” title=”順次降園”]

保護者が降園時にiPad入力(降園時間記録→保育士側iPadに反映)

手の空いてる時間にWEB上から前年度のカリキュラムを参考にしながら来月のカリキュラムを入力

[/ti]

[/ptimeline]

前に勤めていたと保育園と同じ乳児クラスを担当しており、仕事内容や書かなくてはいけない書類の多さも変わりはありません。

しかし、全てパソコン・iPadを使用しての入力なために、日常でパソコンやスマートフォンを使用している自分にとってはかなりの時間短縮になっています

手書きではあり得ない予測変換などもあるので、保育でよく使う言葉を一言一句書く必要はありません。

前年度のカリキュラムから引用したい部分や重なる部分はコピー&ペーストすることもできます。

現在は連絡ノート以外の部分はICTでまかなっておりますが1年間働いて仕事を残業したこともありませんし、持ち帰ったこともなく同じぐらいの給与で働いています。

他の職種と違い目に見えない成長や変化、サービスの質を補助金等のお金に換算するためには、どうしてもそれらを証明するための「書類」が必要となります。

そのため、給与が高い保育所を求めるとどうしても「書類仕事」は付いてまわるものとなりますが、書類の記録方法によっては自分の生活時間の保証にもつながるので転職の際に気にかけるべき事項だとより一層感じました。

ICTの導入保育園のデメリットを紹介

ICT導入保育園で勤めるようになり残業もなくなったのにも関わらず、前の保育園と同程度の給料を貰えているので大変満足しています。

ただ、やはりメリットだけではなくデメリットもあります。

ICT導入のデメリット

ICTの導入はかなり業務効率が上がります。あえてデメリットな点をあげるとしたら以下の点です。

  • 印鑑の押印や、監査に紙媒体の情報が必要となり結局は印刷する手間は必要
  • iPadやパソコンの台数が限られているので別業務で使いたいときに使えない
  • 導入自体に補助金が出たとしてもかなりの金額がかかる
  • 著しくパソコンやiPadの操作が分からない職員に教える手間がある

現代では当たり前にセルフレジやキャッシュレス決済などが導入されていますが、その反面で受け入れない人たちがいるように保育業界内でもまだまだICT事業を受け入れられていない事実があります

また、日本の印鑑文化なども後押ししてか、せっかくWEB上で記録している記録も印刷をかけることでそれらを保管する場所が必要となってしまいます。

基本的に保育所の書類は子どもが卒園しても5・6年間保存をする義務があるので、そういった面でもクラウドなどを利用することで、限られた保育所の敷地面積有効活用ができるようになったら良いと思っております。

私が働く保育所では連絡ノートはまだ手書きですが、保護者の要望で「連絡ノートもアプリにしてほしい」といった声があります。

連絡ノートをICT化することは保育業務の時間短縮だけではなく、忙しく働く保護者への支援にも繋がると分かります。

仕事や家事、育児で疲弊した保護者がちょっとした時間にぱぱっと入力できると連絡ノートがあることで、保護者ももっと保育所の保育に関心をもつきっかけになるのではないかと思います。

最後に

ICT導入保育園に勤めるようになって持ち帰りの仕事もなくなりましたし、プライベートの時間も確保できるようになりました。

給料も以前の保育園と変わりはないので、本当に転職して良かったと思います。パソコンで書いた書類は温かみがないなんて意見もありますが、私は今のご時世そんなものは必要ないと思います。

日々のやり取りはメールやLINEなどのWEB上のやり取りが当たり前になっていますし、今の世代からしたら何も違和感はないと思います。

何事も新しいことを始める時には反発はありますが、保育士の現状を改善するためにもICT導入保育園がどんどん増えていってくれればと思います。

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